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鳥取大学医学部 生化学 (旧統合分子医化学)

ごあいさつ

   鳥取大学医学部における生化学教室は,医学部設立時に発足した最も歴史のある教室のひとつですが(生化学教室の歴史については,前任の松浦達也名誉教授の挨拶文に詳しく書かれていますのでご参照ください),時代の流れとともに担当する教育内容,研究内容も変化しています.

前任 松浦達也名誉教授のごあいさつはこちら

   教育では, TCA回路,解糖系,尿素回路など,昔ながらの古典生化学,代謝学を講義するだけではなく,分子生物学や遺伝子工学など現代の研究技術や,臨床医学などを組み込んだ「医学部らしい生化学」の講義を目指しています.また,「教科書の代謝マップ」のように,とかく平面的にイメージされやすい「生化学」という学問をいかに空間,時間の概念を組み込んで,人体をイメージしつつ理解してもらうかという点に力を入れています.

   研究においては「医学部らしさ」を全面に出すため,病態解析から治療研究に発展しうる研究を推奨しています.特に,培養細胞や動物を用いた疾患モデルを確立し,分子病態を追求,治療ターゲットの探索,創薬研究などを行っています.現在の主要テーマは,シスチン/グルタミン酸交換系トランスポーターが引き起こす細胞間の相対的力関係の変化(相対細胞生物学と呼んでいます)であり,神経変性疾患,精神疾患モデル,腸管不全合併肝障害モデル,炎症性腸疾患モデル,癌細胞,脳挫傷モデル,熱傷モデル,敗血症モデル等を用い,この課題に立ち向かっています.複数の臨床教室からの大学院生,さらに生命科学科からの大学院生,卒業研究生を受け入れ,幅広く研究が行われている他,学内外の研究者,学部学生の活発な研究参加を推奨しています.

 研究室からは中海の夕陽を見ることができ,絶好の環境と言えます.多くの人に集っていただき,研究やディスカッションを活発に行える教室でありたいと考えます.そして,鳥取大学や医学の発展に寄与できる教室を目指します.

 

鳥取大学医学部 病態解析医学講座 生化学分野

                                     教授 中曽一裕

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